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高校生ポスター発表


高校生ポスター発表は無事終了しました。
発表に対して頂いたコメント・質問に対して、以下の通り発表者から回答を頂いています。
質問された以外の方にも、ご覧頂ければと思います。

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HSP-01 絶滅危惧種 ネビキグサの有性生殖が制限されている要因の解明
永田帆帆子(2年), 谷口嘉乃(2年), 梅澤亜未(2年), 中谷絢子(2年), 笠嶋優衣(1年), 川端莉子(1年)(兵庫県立明石北高等学校 科学探究部生物班 顧問:植田好人教諭)
コメント・質問1:
結実率に問題がありそうとのことで、結実率に関係する遺伝子に変異がないか、確認すると良いかも知れません。
発表者からの回答:
私たちが今まで考えいなかったアイデアを頂き、ありがとうございます。私たちにとっては未知の領域であり、実際の方法等のヒントがございましたら、情報提供をお願いします。
コメント・質問2:
種子の休眠についてはどうなっているでしょうか。調べてみるといい視点かと思いました。
発表者からの回答:
採集した時点(12月)で、種子が休眠状態にあることも想定して、2023年度の研究では、春化処理(4℃の低温湿潤処理)を、0・4・8・12週間行いました。その後、それぞれのグループを、次の6条件〔30/20℃の変温(明12h暗12h or 暗24h)、25/15℃の変温(明12h暗12h or 暗24h)、15℃の恒温(明24h or 暗24h)〕に置いて、発芽実験を行いました。結果は、すべての条件(合計24条件)で発芽は確認されませんでした。その結果を踏まえて、2024年度は温度に焦点を当てて、段階温度法を実施しました。
コメント・質問3:
段階温度法のポジコンについて、ポジコンのようなものはありますか。
発表者からの回答:
私たちの方では把握できておりませんが、発案者の鷲谷先生の論文で代表的な発芽パターンが確認できます。https://www.jstage.jst.go.jp/article/hozen/2/1/2_KJ00006452613/_pdf/-char/ja
春を発芽季節とする温帯の多くの植物は、低温で休眠が解除されるので、温度上昇系(低温→高温)で発芽率が増加していきます(温度下降系ではほぼ発芽なし)。一方、秋を主な発芽季節とする植物の種子は、高温域の温度によって解除され、低温域の温度によって誘導されます。したがって、温度下降系(高温→低温)で発芽率が増加し、上昇系では発芽がほぼ見られません。ネビキグサは世界の分布域からどちらかというと熱帯原産の植物のように思われるので、どちらかというと温度下降系で発芽すると私たちは考えていました。

コメント・質問4:
個体群の大きさについて
発表者からの回答:
生育地Dの大きさは1374.8㎡、生育地Gの大きさは2868.1㎡となります(GPS機器+GISで算出)。本校周辺にはその他5つほど個体群がありますが、いずれも面積は40㎡以下で、花序の形成も行っていないところが多いです。生育地Dと生育地Gの結実率を比較すると、生育地Dの方が有意に低いです。これは花序を採取した場所が生育地Dの中でも、本体部分(やや薄暗く花序の形成が少ない)からやや離れた局所個体群の場所(日当たりの良く、生育(花序形成)に適した場所)で、個体数が少ないことによる花粉制限や自家不和合性の影響を受けている可能性が示唆されます。一方、生育地Gは、県下では最大で、大きな1つの個体群となっており、花序の採集もその大きな個体群の中心部分で行いました。
   
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HSP-02 守れ!ふるさとのヤマトサンショウウオ2007~2024
梅田悠加, 北川栞, 川瀨結暉, 市橋采乙里, 坂井健太, 川瀬迦葉, 鳥居大飛 (岐阜県立岐阜高等学校 自然科学部生物班1年 顧問:太田晶子教諭)
コメント・質問1:
18年間の保護と研究はとても貴重です。これからも続けてヤマトサンショウウオを見守って下さい。
発表者からの回答:
保護活動に一定の成果は見られましたが、気候変動などヤマトサンショウウオの生息環境は変化しています。いつまでもヤマトサンショウウオが生息する地域であることを願い、保護活動の方法も見直しながら継続していきたいです。
コメント・質問2:
交雑個体の作出する目的は明確にして下さい。保全に関連することでしょうか?
発表者からの回答:
今回、ご紹介した交雑個体は、近縁種間で互いのフェロモンが有効かどうかを検証した実験の副産物として作出されました。ヤマトサンショウウオ雌の卵嚢に付着したフェロモンはヤマトサンショウウオの雄だけでなく、近縁種の雄にも効果があることがわかりました。小型サンショウウオのフェロモンの化学組成は未解明ですので、特定できれば大発見なのですが、そのためには卵嚢被膜をたくさん集める必要があり、保護活動と相いれないなどの理由で進めることができていません。このような経緯で生まれた交雑個体ですが、先輩たちが温かい目で飼育してこられたため現部員の私たちもそれを引き継いで飼育しています。ちょうどヤマトサンショウウオの産卵期が早まっている事実や、産卵期の平均気温が上昇しているデータを確認できたこともあり、今回は気候変動による交雑リスクと野生生物の絶滅リスクの問題としてまとめさせてもらいました。交雑個体の作出についてご批判があることは承知しています。そのため、野外に出て行かないよう校内で厳重に管理しています。

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HSP-03 3Dプリンターを用いた浸透圧法によるモル濃度測定法の開発
鈴木幸音, 西村美玖(茨城県立日立第一高等学校生物部1年生(顧問:國府田宏輔教諭))
コメント・質問1:
150日を1日に縮めて、水位変化という現象として目に見えるようにした着想を色々な分野に使ってください。
発表者からの回答:
コメントありがとうございます。水の移動速度からモル濃度を算出する方法に、どの程度の誤差があるのか、現在検討中です。このような視点を他にどのような分野に利用することができるか、考えていきたいと思います。
2件目
コメント・質問2:
素人なので、おかしなことを書いていたらすみません。ΔPを変化させることができれば、水の移動ははやまるのではないでしょうか。
発表者からの回答:
ΔPの変化と水の移動に関して、ご質問ありがとうございます。おっしゃる通り、ΔPを加圧などによって人為的に変化させることで、水の移動速度を上昇させることは可能です。水位変化を見やすくするという点で、加圧を利用するという方法もあるかと思います。ただ、Δπによる水の移動については、変化があるわけではないため、水位の測定誤差という点では、ΔPを利用しても改善することはできないかと思います。ご指摘ありがとうございます。
コメント・質問3:
モル濃度を測定しようと考えた動機はどのようなことでしょうか
発表者からの回答:
研究の動機について、ご質問ありがとうございます。私たちは、分子量によらずにどのようなタンパク質であっても、その分解速度を測定することができないだろうかというところから、この研究をスタートしました。特定の性質を持ったタンパク質であれば、その分解速度を測定することは可能です。しかし私たちは、最終的に、タンパク質の二次構造におけるある特徴が、タンパク質の分解にどのような影響を与えるのかを、生化学的な実験で研究したいと考えています。そのためには、さまざまな二次構造を有したタンパク質を対象として、それらの分解速度を測定する方法が必要です。Bradford法などの質量濃度を測定する方法では、モル濃度の変化を正確に追うことができず、分解速度として検出できないので、モル濃度測定法を開発したいと考えたことが動機です。

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HSP-04 偏心モーターとハプティクスの振動が人体に与える影響の比較
菊池冬青, 日向寺颯汰, 新藤優月(茨城県立日立第一高等学校生物部1年生(顧問:國府田宏輔教諭))
コメント・質問1:
集中とリラックスを振動で制御できるなら、授業を効率的に受ける事、居眠りの抑制などに応用が効きそうです。
発表者からの回答:
コメントありがとうございます。
最終的には、偏心モーターとTaptic Engineのようなハプティクスのモータを組み合わせて、センサーを埋め込み、バイオフィードバックが可能なデバイス開発まで出来ればと考えています。

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発表内容:生物学に関する研究テーマ
発表者:​
個人の発表でもグループの発表でも問題ありません
参加費:無料(交通費は支給できません)

発表方法:年会HPのポスター発表ページをご確認ください
日時:2024年10月27日(日)10:00-12:00
会場:会場:神奈川大学 横浜キャンパス 3号館4階 406教室


優秀な発表には優秀賞、努力賞などの賞を授与(以下の注意書き参照)


注意:
高校生ポスター発表の発表方法の追加

(通常の発表方法(1)に加えて、(2)の動画解説を利用した方法を追加しました。)
(1) 学会会場に掲示されたポスター+ポスター前での演者(〇印の発表者)の解説
(2) 学会会場に掲示されたポスター+Web 動画による解説

   (2) の場合は各自で自分のWebサイトに10分間程度のポスター内容を解説する動画をアップロードし、そこのQRコードをポスターに記載してください。

年会HPのポスター発表ページに飛びます
発表申込(締切:9月20日に延長)

要旨フォーマットのファイルを下記のボタンからダウンロードして作成して下さい。それをPDFに変換した後に、メールに添付して準備委員会(scr2024-nenkai(AT)kanagawa-u.ac.jp)送って下さい。(AT)は@に置き換えて下さい。1週間以内に受領メールをお送りします。

講演要旨の締切は
9月20日(金)です。

もし受領メールが届かない場合には、準備委員会(scr2024-nenkai(AT)kanagawa-u.ac.jp)まで連絡をお願い
します。
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染色体学会第75回年会

年会準備委員会

年会長:安積 良隆(神奈川大学  理学部) 

 scr2024-nenkai(AT)kanagawa-u.ac.jp

*(AT)を@に置き換えてください

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